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ジリリリリリ……ジリリリリリ……
目覚まし時計のベルが、夢の世界に行っている僕の鼓膜を刺激した
「うー……むにゃむにゃ……ふにゃ?もう起きる時間か~……」
僕は毛布を退け、眠気眼を擦りながらベッドから起きる
そして、僕は部屋の窓のカーテンに近付いて勢いよく開け放った
外は晴天で晴れ渡っていて、ぽかぽか陽気が僕の身体を包み込む
「うーん……っ!今日もいい天気だなぁ!絶好の入学式日和だよ」
僕はウンウンと頷いて、寝間着から着替えて部屋を出た
そう、今日は四月一日……どの学校でもお馴染みの入学式がある日だ
そして今日は、僕が高校生になる記念の日でもある
「お母さん!おはよう!」
「おはよう勇。ご飯出来てるわよ」
「うん!」
リビングに着くと、お母さんが朝ご飯を作って待ってくれていた
僕は直ぐにテーブルに着いて、頂きますと朝ご飯を食べ始める
「モグモグ……そう言えばお姉ちゃんとお父さんは?」
「二人とも、早く出てったわよ?何か色々あるんですって」
「ふーん……」
お姉ちゃんもお父さんも、やけに早いなぁ~。まだ七時だよ?何時もまだ後三十分くらい居るのに
「モグモグ……ごちそうさまでした」
「はい、お粗末様でした。さっ、新しい制服に着替えていってらっしゃい」
「うん!」
僕は食器を下げて部屋に戻ると、タンスから新品の紺のブレザーを出した
初めて着るなぁ、ブレザーなんて
僕はブレザーに袖を通す
「……えへへ、今日から僕も高校生かぁ~」
ブレザーに袖を通した瞬間、僕は高校生になったんだと実感が湧き、笑みがこぼれた
「お母さん、行ってきまーす!」
「いってらっしゃい」
僕は着替えてカバンを持ち、お母さんに手を振って家を飛び出した
高校は僕の家から大分近くにある……でも、僕は高校生になれたのが嬉しくてついついスキップしながら高校への道を行く
「これからどんな生活が待ってるのかなぁ~。勉強に運動、そして恋愛……ちょっと高校生の青春って奴に憧れてたんだよね~」
僕はニヤニヤしながら、高校への通学路をスキップする
落ち着いて見たら、今の僕ってかなり変人だよね……
まぁ、今の僕には気付く訳は無く、そのまま通学路を進む
すると……
ドンッ!
「うわっ!?」
「キャッ!?」
丁度曲がり角に差し掛かった時、僕は誰かとぶつかった
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