128人が本棚に入れています
本棚に追加
それからしばらくゆうりは、無言でいくつもの傷を消してくれた。殴られてついた傷も、蹴られてついた傷も、自分でつけた傷も、全部全部消してくれた。
「はい、おしまいっ」
「ありがと…ゆう、り…」
「いいえっ!」
ちらりと時計を見れば、すでに夕飯の時間だ。
「あの、ゆうりは人間のご飯、食べれるの?」
「んー、食べれるんじゃない?」
…適当すぎ。
「じゃあ僕作るから、行こう?」
「うんっ!」
立ち上がると、ベッドがきしりと音をたてた。もちろん、ゆうりが立っても音なんてしなかったけど。
最初のコメントを投稿しよう!