イチ

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それからしばらくゆうりは、無言でいくつもの傷を消してくれた。殴られてついた傷も、蹴られてついた傷も、自分でつけた傷も、全部全部消してくれた。 「はい、おしまいっ」 「ありがと…ゆう、り…」 「いいえっ!」 ちらりと時計を見れば、すでに夕飯の時間だ。 「あの、ゆうりは人間のご飯、食べれるの?」 「んー、食べれるんじゃない?」 …適当すぎ。 「じゃあ僕作るから、行こう?」 「うんっ!」 立ち上がると、ベッドがきしりと音をたてた。もちろん、ゆうりが立っても音なんてしなかったけど。
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