出発の朝と温泉と

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厨房に向かってすぐ、従業員はまた2つのお盆を持って戻って来た どうやら篝と聖の料理も出来ているようだ 従業員「お待たせいたしました こちらが『刺身定食』になります」 篝「あ~い」 次は篝の刺身定食か マグロやハマチ、イカやサーモンなど、様々な刺身が美味しそうだ 従業員「お待たせいたしました こちらがご注文最後のお品ですね」 聖奈「はい、私です」 鮎の塩焼き定食か… 俺もそれにするかで悩んだし、これは少し交換するのもいいかもな 従業員「こちらがTHE☆SPLASH☆MAGNUM ‐DX‐になります」 そう言いながらテーブルに置かれたのは…なんとも形容し難い『なにか』だった この世には表現の自由という言葉があるが、これは…表現方法に困る 聖奈「……………」 聖もこのインパクトのでかさに、ノリツッコミもナシで呆然気味 従業員「ご注文の商品は、以上でお揃いでしょうか?」 聖は硬直したまま動く気配がない どんな味なのか気になるけど…これは流石に止めた方がいいな 桔梗「すみません、この子は『鮎の塩焼き定食』頼んだ筈なんですけど?」 従業員「えっ!?あっ申し訳ございません!! 別席のお客様の物でした!!すぐに商品をお持ちしますので、もう少々お待ち下さい」 そう言うと従業員はTHE☆SPLASH☆MAGNUM‐DX‐を持って厨房に帰って行った 篝「…何と言うか、すごかったな」 慧「…表現できない料理だった」 桔梗「あぁ…何せ聖が固まったまま動かない程だからな…」 それから鮎の塩焼き定食が来るまで、聖は固まったままだった というより、ここに間違えてきたって事は、アレを注文した人がいたって事だよな!? あんな形容できない物を頼むなんて…どんなチャレンジャーだよ…
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