出発の朝と温泉と

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桔梗「それにしても…まさか混浴温泉だったとはな」 聖奈「それに関しては私も驚いたわよ」 あの慧が取り乱すほどだ… それだけの衝撃だったって事だろう 桔梗「それにしても…本当に俺達以外、誰もいないな」 さっきの室内浴場も、そしてここも俺達以外は誰1人いなかった 食事時間ってわけでもないだろうし、偶々昼に風呂に入る人がいなかったってだけなのか? 聖奈「慧の話なんだけど、ここは各部屋に小さな温泉があって、宿泊客はそっちに入るんだって だから、こっちみたいな大浴場に来るのはあまりいないんだってさ」 桔梗「へぇ~…つまり俺達みたいに立ち寄り湯の客も、食堂が混んでるからって先入観で来てないってことか」 確かに食堂の方はとても混んでたからな… 食堂がこれならって先入観で、他に行ってしまっているのかもしれない 聖奈「それよりも…あの2人って、付き合ってないのかしら?」 桔梗「本人達に聞けよそんな事 でもまぁ…篝は違うって言ってたし、多分…近くにいるのが当然になってるんじゃないか? 慧は一度引っ越してるし、篝の近くにいた方が落ち着くのかもしれない 俺は大学の入学式で慧と初めて会ったけど、篝は柄にもなく喜んでたぞ?」 普段は何を考えてるのかよく分からない奴だけど、それだけ慧との再会が嬉しかったんだろう 高校の頃からの付き合いだけど、あれほど嬉しそうな顔をした篝は見たことがなかった 聖奈「私はその時にいなかったから、その光景は見てないわね ねぇ…梗から見て、篝は慧のことを…」 篝「ん?何の話してんだ?」 名前が出た事に気付いたのか、2人がこっちにやって来た それに気付いたらしく、聖も話しをそこで区切った 桔梗「篝が慧と再会した時に、柄にもなく喜んでたって話をしてた」 篝「久しぶりの再会だったんだから、しょうがないだろ お前だって、あの写真の娘と再会したら喜ぶだろ?」 桔梗「そう…だな… 俺も…再会出来たら嬉しいだろうな…」 彼女がいなくなって、もうすぐ8年… 会えると言うのなら、今すぐにでも会いに行きたいものだ
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