出発の朝と温泉と

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桔梗「…聞かせてもらってもいいですか?」 一応、俺達は料理研究部だ… どうしたら『アレ』になってしまうのか…知っておいた方が良いだろう 桔梗・慧・篝(((創り出しそうな人がいるし…))) 同じ事を考えているのか、俺達3人はそろって聖に目を向けていた 聖奈「…私も食べられる料理を作れるようになりたいわ」 いつもなら俺達の目線に文句を言うところだが、『アレ』を出された張本人だからな… さすがに衝撃が強かったんだろうな… 女将「実は…私と『神楽』の板前は、皆さんと同じ東雲学園の料理研究部にいた事があるんです 所謂OGで、私は料理が得意だったので当旅館でも時には厨房に立つこともあるんです」 …この人が俺達のOGだって時点で、すでにある種の驚きだけど 女将「ですが『神楽』の板前の友人は料理が苦手で、創作料理を作ると『アレ』になってしまうんです でも不思議な事に、一般的な料理を作ると人並み以上に美味しい料理になるんですよ」 …確かに俺達が食べた料理は、4人全員が満足する美味さだった つまりTHE☆SPLASH☆MAGNUMってのは、この女将さんの友人が作った創作料理だったって事か 桔梗「DXを注文したお客さんもいたみたいですけど…大丈夫なんですか?」 女将「不思議な事に…見た目は『アレ』でも味は絶品なんですよ 先入観と言うんでしょうか…食べてみると美味しいんですよ …見た目は『アレ』ですけど」 …あの表現し難い見た目とは違って、アレが美味いのか ハッキリ言って…『アレ』を見たから言うけど、とてもそうは見えないんだが… 慧「…梗」 後ろから慧に呼ばれたから振り返ると、慧は静かに聖を指差していた 慧が何が言いたいかは分かったけど…それを俺が聞かないといけないのか!? 慧「…協力はする」 俺が考えてることが分かったのか、慧はそう言ってくれる けど俺は援護が欲しいわけじゃなくて、考えを改めてほしいんだが …どうせ言ったって聞かないだろうな 慧の後ろで眠そうに欠伸してる幼馴染みがいるし、慧もその幼馴染みに似て頑固なところあるし 桔梗「あの…1つ相談があるんですけど…」 こうなってはしょうがないし、慧の代わりに聞いてやろうじゃないか 俺の命は、慧の援護にかかってしまうんだけど …『協力する』が『骨は拾う』にならないことを祈りたい
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