出発の朝と温泉と

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聖奈「私達はどうすればいいと思う? あのままだと、付き合うまで時間がかかるわ」 桔梗「そうだな…一番心配なのは、卒業した後に後悔しないかどうかって事だ 慧は大学院に行くかもしれないけど、篝はどうかわからないからな…」 あの2人みたいな『近くにいて当然』みたいな考えの知り合いを持つと、周りは気が気でない 2人が自分の気持ちに早く気付いてほしいと、お節介と分かっていながら思ってしまうのだ 聖奈「ねぇ、明日はあの2人で好きにさせてみない?」 桔梗「と、言うと?」 聖奈「明日は1日、自由時間って事にするのよ 私達は2人の後を追って、行動を見守るの」 桔梗「…仮に明日を自由時間にしたとして、あの2人が外に出ると思うか?」 少なくとも、俺には2人が外に出るとは思えない どうせ慧は部屋で読書だろうし、篝は布団から出てこないだろう 聖奈「…梗、なにか案はないかしら?」 案が思いつかなかったのか、鋭い目線で言ってきた 桔梗「ん~…例えばさ、午前中は皆で温泉巡りをしてゆっくり過ごす で、昼食時にでも『午後からは自由行動だ』ってことにする これならすでに外にいるし、さすがの2人でも2~3ヶ所は温泉に行くだろう」 篝の場合は誘っても『出るのが面倒』と言うからな… 外に出てさえいれば、余程のことでもない限り面倒臭がらないから問題ないだろう 慧も篝が一緒なら、自分から行動を共にするだろう 聖奈「でもそれだと、私と慧でペアを組む事にならない? 男女別で組むのが基本じゃない?」 桔梗「別に身の安全を考えてって事でいいんじゃないか? 慧は篝の実力は知ってるだろうし、その方が自然だと思う」 どうせ篝達も深くまで追及して来ないだろう 聖奈「それもそうね じゃあ私は2人の後を追うから、梗は温泉を堪能して来て」 桔梗「ん?それなら俺も一緒に行くぞ? 聖1人に任せるのも、案を提案した俺としては心配だし」 それに聖に任せていたら、必ずどこかでミスをする気がするし
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