第壱章

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約1時間後ーーー 「でけー門……」 俺達の目の前にはおよそ3mはあるであろうどでかい門がそびえ立っていた。 「これが学園ってやつかぁ」 「もう既にここまで妖気が漏れているが……」 ほんとだ。学園の外だっていうのに妖気が感じられる。それだけ、今回の依頼は一筋縄じゃいかないって訳か。 「…姫、荷物を持とう」 すると真珠浪が俺が持っていた大きな荷物を、ヒョイと軽々持ち上げた。 おお、男らしい。 真珠浪はどっちかというとクールの美形男子に、入る。柚姫は綺麗と可愛いが合わさった感じで鬼童丸はカッコいい系で未連祈は甘いマスクの綺麗顔。 まあ、そんな感じで凄い美形集団が来たと、柚姫が押したインターホンの向こうで騒ぎがあった。 「お、門が開いた。」 「姫、お手を」 「は、恥ずかしいだろうがっ」 「なら姫抱きはどうだ?」 「いるかっ!」 未連祈と鬼童丸がニヤニヤした顔で言ってくるから蹴ってやった。そして唯一安全な真珠浪の側に行く。 だけど、 「なあ、真珠浪。ここさっきも、通らなかったか?」 「そうでしたか?」 それから10分後ー 「なあ、やっぱ通ったぜ?ここ」 「………はい。姫」 「ん?」 「迷いました」 そう…こいつは超がつくほどの方向音痴なのだ。 「やっぱりか……」 「申し訳ない…」 「いいって…。ならさ、真珠浪。ちょっくら飛んで…は駄目か」 「拙者、腹を切るしか…」 すると本当に刀を取り出したので慌てて止める。 「うわあああ!なにしてんだよ馬鹿!誰も腹切れなんて言ってないだろ!」 「は、了解した」 ふう……こいつら色々疲れる。でも、どうしようか。 「どうしました?」 不意に声を掛けられて振り向くと、白に近い髪の色をして銀色のノンフレームのメガネをしたこれまた美形の人がいた。 「あ……あの。道に迷ってしまったんですけど…。」 「そうですか。なら、道を教えてあげますよ。」 「本当ですか?!」 その言葉を聞いて柚姫の顔がぱああっと明るくなった。その、柚姫の笑顔を見た瞬間、その、男は目を見開いたがすぐニッコリという顔になって、柚姫に微笑みかける。 「どこに行きたいんですか?」 「あ…えと、理事長室です」 「ならここを、こういって、こう行ったら右っ側に道があるからそこを真っ直ぐ行けばいいですよ。」 .
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