第壱章

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柚姫の容姿を簡潔に言うと、大きな切れ長のエメラルドグリーンの瞳に金茶色の癖毛がちょびちょびあるサラサラな髪をしている。その艶々な髪からは、いつも誘う香りが漂ってるとか…(誰情報?) 「おい、鬼童丸。姫と呼ぶのは止めろよ。」 「何で。姫はまだ姫宮の姫だろうが。」 「そうだけど……」 俺男だし…。 そう思ったがあえて言わずに心の中だけで思った。 何しろここは女だけの家。男は女が子を成すためだけの道具にしかなく、やる事やれば捨てる。だこら男は俺と、俺のお目付役しかいない。 「朝食は出来てる。」 「分かった、」 「それで、食べ終わったら来るようにって当主様がお呼びになってた。」 「それって母様が?それとも婆婆様?」 「両方」 「はー……。」 物凄い嫌な予感しかしねえんだけど…? 因みに神凪家は、表は呉服屋として有名な金持ちの家で、裏では祓い屋の頂点に立つ。日本の祓い屋を纏め、外国の祓い屋とも通じたりしてたりするらしい。え…何だっけ。え…エクソ…エクソシスト…??だったかな。 業は俺たちと一緒ってのは聞いた。 俺も梦月櫻に選ばれたからにはそんな仕事をしなくちゃならない。 それが俺の宿命ーーー .
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