残酷な現実

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「えへへ~!私は翔也くんのこと大好きだもんね~!いつまでもまってられるよ~!」 桃花〈とうか〉は桜の2つ下の妹である。 桃花はそう言いながら、チラッと遥と桜を見る。2人に向けられる笑顔はニヤッとしたものだった。 そんな笑顔を見せられた2人は、怒りを抑えながら笑顔を繕う。 「しょ、翔ちゃん!すぐ帰って来るね~!」 「お兄ちゃん…すぐ帰るね?」 2人がそう言うと、翔也は困ったような笑顔で答える。 「2人とも、そう言ってくれるのは嬉しいけど、今日は遥の誕生日だろ?だから、俺に気をつかわずに目一杯楽しんで来てくれ。」 「翔ちゃん…」「お兄ちゃん…」 翔也に熱のこもった視線を向ける2人の頭を撫でると、翔也は2人の体を反転させて、笑顔で背中を押した。 「ほら!行って来い!」 「「うん!」」
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