6月

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しかし、こんな楽しい日々の中にも、どうにかしなければならない問題があります。 それは、もう6月だというのにバイトをいっさいしていないということでございやす。あとは戦争とか差別とか貧困とかッスかね。 家業である殺し屋(イレイザー)の仕事からも足を洗ったし、そろそろバイトをしないと本気でヤバイです。生きるためには金が必要なのです。 金を得るためならば、いくらこの手を汚したってかまわない。悪魔に魂を売り、この東京を恐怖で染め上げる殺人鬼になってもいい。そう、全ては金のため、自らが生きるため……。 そう思い、2日前くらいにお弁当屋さんにアルバイト応募の電話をしました。手汚してもいいなら家業の殺し屋やれって話ですよね。 町のみんなに美味しいお弁当と笑顔をお届けするお弁当屋さんに電話したところ、なんか 「週に何回入れますか」 「何曜日なら大丈夫ですか」 「何時間働けますか」 「この中に犯人がいるって言うんですか」 とかスゲェグイグイきたのでちょっと引きました。スッゲェグイグイくるの。グイグイ。グーイグイくるの。 (こいつメッチャ俺を欲しがるやん)と思った僕は、露伴先生に「仗助に助けてくれと言えば俺を助けてくれるのか」と言われて勝ち誇ったハイウェイスターみたいな顔でにやけました。 こりゃあバイト受かったも同然だぜ。主導権を握るなら今しかない。そう思い、時給6億にしろやって言い放ちました。言うわけないじゃないですか。 すぐに面接の日程を知らせるために電話しますと言われ、僕のクズ脱却への第一歩はとりあえず無事終了しました。 だけど電話がかかってくる気配が全くありません。なんなんすかね。あんなにグーイグイきたのに全然電話来ないやん。 電話の際、全ての語尾にウンコウンコって言ったったのがまずかったのでしょうか。俺がお弁当屋さんの店長だったらウンコウンコって言う奴に弁当作るの任せたくありません。 長々と書きましたが、要約すると今月で20歳になるというのに、いまだにウンコで笑っちゃう病気を早く治したいです。 果たしてお弁当屋さんから電話は来るのでしょうか。
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