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ぼくには耳がない。
正確には「耳」がない。
聞こえはするのだ。ただ「耳」がないのだ。
「おーおーおー!イェーツ!ふぉぉぉぉぉ!ツイスターー!」
王さんが玄関を蹴飛ばして入ってきた。
「おはよううさぎ!うさぎはくさい!くさいは脇!脇はくさい!」
王さんはぼくを見るなり、腕をひっぱりそのまま外に連れ出そうとした。
「どういうつもりだよ!まだ着替えてもないし、ディナー、いやチョウショクーもまだ食してないのに!」
ぼくは抵抗したが、王さんはニヤニヤしながらぼくに言った。
「朝食は作れたらホトトギス!泣かないでタランティーノ!自分はイーブンな関係を持ちたい!そして会いに行こう!愛と信と青春に!」
ぼくには意味がわかった。
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