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ぼくは玄関の扉を開けた。すごくいい風がぼくをかすめた。
そしてぼくの目の前に立っている男はまさしくかの有名な・・・・
「お名前はなんというのですか?」
ぼくはおそるおそる聞いてみた。
「ぼくの名前は王です!」裏声で言ってきた。
ぼくは笑いそうになりながらも、手を差し出し、握手を求めた。
「やめてくださいよ。そんな改まらないでください。ぼくは君に用があってきたんですよぉぉぉ」
王は急になよなよし始めた。ぼくはちょっとイラついたので鋭い眼光で見つめ返した。
「用とはなんなんですか?」ぼくはぶっきらぼうに言った。すると王は
「今の人生、君は満足しているのさかい?家庭事情は存じないが君はある事情で独りなんだろ?この状況を打開したいとは思わないのソワール?」
ぼくはすごく突っ込むか迷ったが、自分の路頭の貧しさにはかなわず、普通に答えた。
「ぼくだって好きで独りなんじゃないよ!お父さんもお母さんもダンディー坂野もみんないなくなっちゃったんだ!」
ぼくは泣きそうになった。3年間も孤独でいたのだ。その事実をどこの馬の骨かもわからぬ男に言われるのは気分が悪かった。
気分が悪かったらウソをついてしまった。ダンディー坂野はノリだ。
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