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お店に着いて、りこは何食べるか聞いてなかったから、外に出てお店を見た。
『え?旅館?』
『まぁな。知り合いのとこだから、大丈夫だよ。行こうか』
『うん!!』
2人は、中に入り、女将さんが顔を出した。
『あら、いらっしゃい!優ちゃん、久しぶり、大きくなったねぇ、隣の子は、彼女?』
『おばさん、久しぶりです。はい、今日は急にすいません。彼女のりこだよ。』
『はっ初めまして、田中りこです。』
りこは、緊張しながら、頭を下げた。
女将さんは、微笑んで、
『あら?そんな緊張しなくてもいいのよー。優ちゃんが、彼女連れてくるなんて、珍しいわぁ!どうぞ、中に入って』
女将さんに、託されながら、中に入り、奥へと進んで行く。
『優ちゃん、急に連絡してくるんだもの。あまりいい食卓じゃないけど、この部屋にどうぞ』
『あ~ごめんね、おばさん。りこにも、おばさんの味知って欲しくてさ』
『あら?優ちゃん、そんな事言えるようになったの?嬉しいわ!いっぱいご馳走しちゃう!!』
女将さんは、嬉しそうに、優の背中を叩いた。
部屋の中に、通され、ちょっと待っててっと、言われそそくさと、出て行ってしまった。
りこはにやにやしながら優を見て、
『優ちゃんって、呼ばれてるんだ?』
優は、照れくさそうに呟いた。
『あの人だけだよ。俺小さい頃、女の子みてーに、扱われてたみたいで、ずっと優ちゃんって呼ぶんだ。さすがに、もう恥ずかしいな』
『親戚の人なの?』
『そう。親父の1個上のお姉さん』
『そうなんだー。笑顔が可愛い人だね』
『あっそれ、調子乗るから言うなよ?』
『え?本当の事なのにー』
その時、ドアが開いて、女将さんが、お待たせと言いながら、いろんな料理をテーブルの上に並べて行く。
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