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それを見上げて、てゐはあぁと頷いてみせた。
「 これはあれですよ。にとりちゃん、説明してちょーだい」
「はいはい。これはですね、私とてゐちゃんの合作発明品。その名も『全自動影妖怪殲滅トラップ。ポロロッカアールエックス君』です」
とんでもなかった。
「え……えっと、何? 全自……アールエックス?」
「全自動影妖怪殲滅トラップ。ポロロッカアールエックス君ですよ姫様」
「長いわよ。もう少し短く」
「ポロロッカアールエッ!!」
「勢いはあるけど、そのテンションを毎回は辛いわ。もうちょっと柔らかく」
「えっと、ポロロッカ君でいいですよ?」
輝夜とてゐのやり取りに、にとりは苦笑を隠せずそう言った。
そのポロロッカ君はと言えば、よく耳を澄ませてみれば中からゴウンゴウンと何かが動いている音が聞こえ、更にジュ―ジュ―と何かが焼けるような音もする。
「で、結局そのポロロッカ君って何なの?」
「くふふっ……いやぁ、こいつは凄い奴なんですよ姫様。この竹林全土に張り巡らされた私自慢のトラップ達。その中でも、所謂落とし穴ってやつを今回は全部使いましてね」
落とし穴を全部。
その言葉だけで、輝夜は思わず驚きの声を上げていた。
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