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優月がメインとする能力は『魔法を使う程度の能力』である。
その性質上、幻想郷で出会った他の魔女や魔法使い達の戦い方に強く影響を受けている彼女は、確かに距離をとった戦いで真価を発揮する。
千秋と殴り合いを演じていた戦いこそ稀なのだ。
「……バランスをとる為には、他から持ってくるか、自分達の中から搾り出すかするしかない。さてそこで聞くけれど、あなた達何か切り札でもあるかしら?」
アリスの言葉に、土煙を嫌って口元を押さえていたパチュリーが手にした本を開いた。
「えぇっと、消極的にバランスをとる方法は……」
「載ってるの?」
「ええ、あったわ」
「載ってたの!?」
本を閉じてニヤリと笑うパチュリーに、アリスは思わずつっこんだ。
口元に浮かべた笑みをそのままにパチュリーはおもむろに優月へと近づくと、そのポケットへと白い手を滑り込ませた。
「うおっ、ちょ、なんだ? 私はまさぐられるよりはまさぐりたいんだが……」
「本当、貴女は偶にとんでもない事を口走るわね……」
ポケットに手を突っ込んでいたパチュリーは僅かに顔を赤くしながら、取り出したソレを二人にも見えるように掲げて見せた。
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