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それは一枚のスペルカード。
優月が作った、優月一人では使う事ができない特殊スペル。
「協符、と言ったかしら。知っているのよ。あなたはこれで、他者と弾幕を合作する事ができるって」
「え、なにそれ? そんなのアリなの?」
アリかナシかで言えば、それは勿論アリである。
弾幕ごっこにおいて、他者の協力を得てはいけないというルールはない。
力を合わせ、協力する事。
その行為自体もまた美しく、時に素晴らしい結果をもたらすのだから。
「ああ、確かにそいつは私の切り札と言ってもいいんだけど……ここには魔理沙もチルノも美鈴もいないぞ」
「さっきアリスが言ったでしょ。無ければ搾り出すものよ。貴女、私達とスペルを紡ぎなさい」
「……達?」
それは勿論、優月を含まない言葉である以上はこの場にいる魔女二人を指すものである事は間違いない。
それは優月にもわかるが、しかし問題も同時に分かってしまった。
「ちょっと待て。協符は基本二人で使うスペルだ。元々、それぞれの個性を掛け合わせるスペルなんだぞ。三人でなんて、それこそ収拾がつかなくてどうなるかわかったもんじゃない」
その通りであった。
協符は、異なる二人の資質を掛け合わせるスペルである。
チルノとならばその冷気と。
美鈴とならばその格闘能力と。
それぞれが誇るソレと、優月の魔力を組み合わせて出来上がるのが協符なのだから。
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