~プロローグ~「私の隣人」

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そんな訳で今日はいつもより倍の音量で隣人を呼び起こした。 「流音ちゃーーーーーーーん!!!!!!起きてーーーーーー!!!!!!」 私、平賀春(ひらがはる)。 このアパートの301号室の住民。 1人暮らしの22歳! しっかり管理されているこのアパートだけれど、部屋自体は狭いため他の住民も1人暮らしが多い。 さっきから隣人に何度も声を掛けているが、隣の全くの反応のなさにどんどん不安になっていく………… 日頃から素直ではない。しかしさすがにここまで無反応なんて… もしかして借金なんかしてて返せなくて夜逃げした? いや、まだあの子は学生だし… まさか病気かなんかして倒れたんじゃ………… 「いやぁぁぁーーーーー!!流音ちゃん起きてぇぇーーーーー!!」 涙を浮かべて叫んでいると……… 「バンッ」 隣から勢いよくベランダの窓が開いた音が聞こえた。 そこからひょこっと顔を出した女の子。
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