~プロローグ~「私の隣人」

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「…学校から帰ってきたら眠くなっちゃったから、着替えたらすぐに寝たの」 「そっかぁ」 流音の言葉に私はそう答える。 が、しかし、 いつもの流音じゃない。 いつもならまっすぐ前を見てはっきりしゃべるのが通常の流音。 ははーん。こりゃなんかあったな。 そんないつもと違う言動で私をごまかせると思っているのか?この子は。 22歳なめるなよ。 ジェットコースターも幽霊にも動じない怖いもの知らずの流音が、この気難しい表情をとる時は毎回同じ理由。 「翔と何かあったでしょ。」 ニヤリと微笑みながら私は言う。
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