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「なんでだよ! 昨日まであんなに元気だったんだぞ!!」
白い、無機質な部屋に響き渡る声。彼の前に座った白衣の男はこなれた態度でおちついてください。と呟く。
「だって……だっておかしいだろ!」
「お気持ちは、分かります」
やはり静かに、慣れた口調で男は言った。もう少年とは呼べなくなった彼は憎しげに男を睨み付け、空気の抜けたように椅子の上にへたりこんだ。男の指示で、彼の後ろに立っていた女性が紙の束を男に手渡す。
そして、再び残酷な言葉が彼の耳へと剣を突き立てる。
「御母様は、余命一週間です」
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