0人が本棚に入れています
本棚に追加
ジリリリリ……
目覚まし時計の音が聞こえる。
私は目を覚ますと、ベッドの横では、愛しい彼が寝ている。
「ううん……」
彼が目を覚まして、目覚まし時計の音を止めた。
するとこちらを向いて、
「おはよう、リナ」
そう優しく私に微笑んでくれた。
「おはよう、ユウ」
私もそれに応えるようにして微笑み返す。
彼は起きると、顔を洗いに洗面所へ行き、リビングに戻ってきた。
「今日は僕が朝食を作るよ。リナの好きなスクランブルエッグでいいかな」
彼はエプロンを付けると、キッチンに立ち、そう告げる。
「うん。私、ユウの作るスクランブルエッグ大好きだもの」
言うと、私はダイニングにある椅子に腰掛けて彼の料理姿に見とれている。
しばらくして、彼がテーブルに料理を並べると、
「うまくできたよ。さあ召し上がれ」
「うん! 頂きます!」
言って、二人は彼のご自慢の朝食を摂り始めた。
二人でゆったり過ごす早朝。
窓からはキラキラした光が差し込んで、とても清々しい。
こうして彼と一緒に暮らすようになって、これほど幸せを今まで感じた事があっただろうか。
こんなただただ流れる優しい一瞬一瞬が愛おしくてたまらない。
私は彼の方をじっと見つめて、笑顔になる。
すると、彼が私に向かって、
「今日はリナの為に早く帰ってくるからね。いい子で待っててくれよ。そうだ。リナの好きなアップルパイも買ってこよう。楽しみにしててくれよ」
彼が嬉しそうに私に言う。
「うん! ユウの帰りをちゃんと待ってる。ユウもいつもお仕事ご苦労様」
私は単純に、彼が私の為に、と言ってくれるのが素直に嬉しかった。
頑張っている彼を傍で励まし、応援して私はそれで笑顔でいられる。
幸せってこんなに心を暖かくしてくれるんだって、彼に出会って私は知った。
彼に何かをしてあげたい。
もっと彼を愛したい。
ただそれだけを心に抱いて、彼を優しく包んでいたい……
そして朝食が終わり、彼は着替えて、会社に向かおうと玄関に行く。
「いってらっしゃい! 頑張ってね! ユウ」
「いってきます。リナ、愛してる」
言うと、彼は会社へと出社して行った。
最初のコメントを投稿しよう!