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僕は何をしていたのだろう。
気づけば、薬品の匂いがするベッドの上で寝ていた。
なんだか、腹部が痛い。
点滴に絡まれた僕は、どうしてここにいるのかもわからない。
それに……
何日眠っていたのかわからないが、
眠っていたとき、見ていたあの夢。
とても優しく、暖かい気持ちになれていた記憶。
すごく愛おしくて、愛おしくて、自分までも壊れてしまいそうなくらい胸が張り裂けそうな想い。
ずっと僕を呼んでいた可愛らしい声。
どこか懐かしくもあり、今もそれを思い出すと、心が揺れる。
僕は……何をして、誰を想っていたのだろう。
でも、これだけは分かる。
きっと……
僕は彼女を「愛していた」んだと。
それが夢でも現実でも。
彼女が好きだった。
あぁ。
いつか出会えるといいな……
僕は窓の外の空を見上げ、彼女のことを想った。
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