572人が本棚に入れています
本棚に追加
クレス・スタンノートの苦労
昔あるところに、平民の少年がおりました。
ある日、父親の行商の供に街へと赴いた時のこと、そこで美しき姫君に見初められ、少年は騎士となります――姫君の騎士に。
そして時は流れ、かつて少年であった小さな騎士は大人になる。
美しき姫君は王女となり、許婚であった小国の王子と結婚し子を為しました。
そこには個人の感情は一切存在しない、国の意思と定め。
そして更に時は流れ、王女の一人娘である幼き姫君は王国最強の騎士を従え、見聞を広めるために旅に出ます。
時は流れ、ありとあらゆる物が変化する、人も、国も、土地も――なにもかも。
ただ唯一変わらなかったのは、幼き日の騎士の誓い。
大人となった少年は昔と変わらず、<姫君の騎士>であり続けます。
様々な想いを、胸に秘めて。
*本編始まりますよ、クレスさん……
最初のコメントを投稿しよう!