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どこに来たのかといえば、学校だ。
今のご時世、不用心な事に玄関は開きっぱなしでご自由にどうぞ状態。
幸いな事に、入口付近もどこも、人ごみにはなっていない。
裸足の所為のちょっとした痛みを我慢して校内へと侵入していく。
そういえば、怪我したらどうなるんだ?
やっぱり、空中から血が流れ出てて不気味な現象として捉えられるのか?
……気を付けて行動しよう。
そして自分の所属するクラスの教室へと向かう。
廊下を気を付けて歩いていたのに、突然、よろけたらしい生徒にぶつかった。
だけどその人は、どうやら壁にでもぶつかったと思ったらしく、気にも留めずに体勢を持ち直した。
そして間髪入れずに叫ぶ。
「はぁ?!ふざけんなよ!」
……どうやら、誰かと喧嘩中だったらしい。
よく見れば、彼も、向かい合っている喧嘩相手も、僕と同じクラスの人たちだ。
そして、彼らの胸の辺りには、何故だかお互いの名前が浮かんでいる……
もしかして。
見えるようになるって、これの事か?
でも、一体何の意味を持つんだろう。
ひとまず彼らの事は避けて通り、他の人の胸元に注目してみる。
すると、名前のある人、無い人が。
時々、複数の名前がある事も分かった。
次に2人組で、お互いの名前を持つ男女のカップルに遭遇した。
……こっちも喧嘩中だ。
もしかすると、この名前は嫌いな相手なのか?
じゃあ何か。
自分の名前が溢れかえってるのを見てついでに陰口叩いてる所にでも遭遇して、絶望して死ねとかそういう意図の薬か?
……それでもまあ、見てやろうじゃないか
どれだけ僕が不要なのかを。
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