cream×cream

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翌朝、いつもと同じ満員電車に乗ると、カール頭を発見した。 俺は会社員、サラリーマンというやつだから、毎日毎日同じ時間、同じ車両にのっているのだが、あのカール頭はいつも同じ電車なのだろうか? 昨日はじめて見かけた気がする。 また埋もれているカール頭を眼でおっていると、目が……あった。 眠そうな目をさらにとろんっ、とさせたかと思うとニコッと笑う。 ―― 俺に笑いかけてる、のか? 昨日のあれだけで、顔を覚えられたのだうか? 駅に着き、人の乗り降りで一瞬空く車内。 カール頭はニコニコしながら、俺の側までくると、ぽすんっと頭を胸元に埋めて…… 「お、おいっ?」 慌てる俺をよそに、聞こえてくるのはすこやかな寝息。 ―― マジかよ…… まさかの、まさか……だ 昨日の朝と同じようにすやすやと眠りだしたっ! 離そうにも、なだれ込む人に押しつぶされて完全に動けなくなってしまった。 香ってくるのはバニラの香り。 甘い甘い香り。 この香りをかいでいるとおかしくなる。 なんだか、頭がぼんやりしてしまうのだ。 次の駅は俺が降りる駅。 今日こそは、降りるっ!と決心し、カール頭の身体を離そうと押したのだが、「んぅっ……」と迷惑そうに唸った。 迷惑なのは、こっちなんだが…… もっと、強く突き放さないと、また降りれなくなる!会社も遅刻だ!
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