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つい、先日ありえないことが俺の身に起こった。
その事について、ゆっくり考えるため、休日の買い物ついでにカフェによった。
毎朝乗る満員電車で、抱き枕となっている俺。
離せばいいと思いつつも、それができないでいる。
なぜ?そんなの俺にはわからない。
俺の胸元ですやすやと眠り、電車が揺れるたびに眠そうに「んぅっ」と声をあげ、また眠る。
そうして、自分の降りる駅になると、目を覚まし、「ありがとう」と一言残しさってゆく。
その時に見せる笑顔が……
「いらっしゃいませ」
店員の声つられ、カフェの入り口へ視線をやると……
まさかの、まさか……だ
あの満員電車で俺を抱き枕にしているカール頭のやつだ!
席に通されるカール頭を目で追う。
相変わらずくるっとしたカール頭と、少し眠そうな目。
甘ったるい紅茶を連想させる瞳は、大きく、たれ目がち。
カール頭は、本を取り出し読みふける。
俺はただ何となく目が離せなくて、ぼーっと眺めていた。
暫くして運ばれてきたケーキに、カール頭はにっこり笑ってぱくっと一口。
それはそれは、幸せそうな顔で…
「あっ」
「えっ?」
目が、あった。
カール頭は、にこっと笑うと食べかのケーキを手に俺の目の前へ。
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