『壊れた世界』

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気が遠くなるほどの大雨。 窓からは外の様子が全くわからず、難しい名前の薬品の匂いが立ち込める部屋。 そこに1人の科学者がいた。 髪は白く、頬はやつれ、不健康そのものだった。 しかし 彼の目は生き生きとしていた。 端から見たら変質者と間違えられそうなくらいに。 それもそうだ、今、 彼は願いを叶えようとしているのだ。 叶うはずがなかった願いを。 両手を机に置き科学者は一人つぶやく。 「よし…。できた…。できたぞ。これが成り立つことは証明される。今!!私がこの世界を使って!!」 天に思いをぶつけるかのように両手を空に掲げて彼は叫ぶ。 「……か…を……え!!!」 叶うはずがない願いを。 ―そして 空から雲が消え、辺りは真っ暗になった。 ありえない。 今は朝のはずだが太陽はない。 彼はただ笑った。 この時を待っていたかのように ―そのとき    世界は壊れた
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