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名前だけではない、俺には知らないことが多すぎる。
あのデカい百足、
そこに剣をもって百足を倒した妹、
そもそもここはどこか、
何かを知りたいときはどうするか。
情報を得るにはどうすればいいか。
インターネットがあれば言うことはないがこの家にはなかった。
ならどうしようか。
実は俺はすでに解決方法を見つけている。
「お~い妹~」
…この呼び方なんかおかしいな…
だが妹はこちらを振り返らず
「あっ!お兄ちゃん起きたの?ごめんね~!もうちょっとでご飯できるから座って待ってて~!」
「あぁ…!うん、サンキューな!あと聞きたいんだけさぁ、『図書館』ってどこにあるっけ?」
妹は驚いた顔でこちらをみて言った。
「えぇっ!?お兄ちゃん本とか読むの!?」
「えぇ!?あぁ~…、ちょっとな…!」
「ふ~ん…。まぁ、いいや。じゃあ、こっち来て!」
言われた通りに妹の所に行くと、妹は手を後ろに組み、こちらに向き直り目を閉じ顔を俺に近づけてきた。
「お兄ちゃん……どうぞ」
「…はい?」
俺に何をしろと!?
しかも妹の顔はキスを求めている女の子の顔にしか見えない。
おい!まじかよ!!
思わず俺の目線は綺麗な桜色の唇にいってしまう。
妹は「まだなの?」と言わんばかりにさらに顔を近づけてくる。
思わず後ずさる俺!!
やめろ!!近づくな!!
…そしてトドメの一撃がくる。
「焦らさないでよ……お兄ちゃん…」
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