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12月20日午前9時30分。
A県北部の過疎地に所在する大山警察署の生活安全課……。
警察本部へ電話している熱血デカ(刑事)中畑警部の九州弁が炸裂した。
「なんですか、そいは? 応援に来れんちゅうことはどぎゃんことですか?」
『署が大変なのは解っている。しかし、今回の事件は署轄でも対応できる簡単な事件だろう』
「何ば言いよっとですか! 課員は7名しかおらんとです。 今、ST(ストーカー)やDV(ドメスティック・バイオレンス)の保護対象ば3人抱えて部下の身がもたんけん、応援に来て欲しかって頼んどるんです……」
『とにかく、無理だ。時期が悪すぎる』
「班長! そいが本音ですかぁ。年末・年始ばゆっくり休みたかとでしょう。映画やなかばってん、事件は現場で起きとるんですよ」
『お前! 何を言っているんだ。 もう切るぞ!』
真っ赤な顔で一方的に電話を切ったのは、警察本部ストーカー対策室の特捜班長だった。
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