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そうノインは告げると、姿を消した。
どうやら帰ったようだ。
この次元に移動するのに多くの霊力を消費するんだが、ノインにとっては取るに足らない霊力消費なのだろう。今の俺が戦いを挑んでも勝てるかどうかといえば負けるほうが確率は高いだろう。
ノインの前ではああも大口をたたいたが、ツヴェルフに勝つなんてとうてい無理だし、更にその上の『ドライツェン』辺りにはアリンコのように踏み潰されてオワリだろう。
こう考えると随分と弱体化したな、と思うんだよな。
昔であれば俺のほうが圧倒的に強く、それこそあいつらの統括『タウゼント』辺りでも舐めてかかったら傷を負うくらいでしかなかった。
「クソ・・・苛々してきたぞ! 絶対ユエ殺す!!」
しばらく次元の狭間で霊力を回復させ、【天照転移】で拠点へと移動した。
移動した拠点では、『ズィーベン』と『アハト』クラスの霊害はいなくなっていた。これがノインの言っていた本能で動く以外の、知性を持った霊害なのだろう。
こりゃ助かる。拠点の連中なら『アハト』以下クラスの奴らは苦戦はするが負けはしないから守りやすくなったな。
避難していた拠点の奴らが、戦闘音が消えたからか、様子見に数人でやってきたので戦闘が終わったことを知らせ、会議を開くから幹部どもを呼んでくれと頼んだ。
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