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ふとテレビを見ると天気予報が流れていた。どうやらしばらくこの雨は止む事は無いらしい。
見終わると散らばったゴミを掻き分けながら、自分の衣服を見つけた。
シワのよった服を持ったまま浴室に向かい、シャワーを浴びる。
下着のみで室内を歩きまわり、冷蔵庫の中の炭酸水を取り出し飲み干すと、シンクの上に置いた。
この生活もあと僅かと思うと少しだけおしい気もしたが、目の前の惨状を見るとそうも言っていられなかった。
そのまま衣服を身に付けると、ふと顔を上げる。
男は少しだけ煩わしそうに片耳を手で押えた。
そのまま、テレビのリモコンに手を伸ばすと電源を落としす。
どうやら、雨音ではなくテレビの方を煩わしく感じていた様子で、そのまま外のベランダに移動する。
雨雲は何処までも広がり、街は影を落としたままだ。
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