◆嘘つきと異世界◆

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・・・・・・、ひょっとして、ここはあの世なのだろうか? あの世、死後の世界、地獄、天国、三途の川に賽の河原 仮にここが地獄だとしたら、きっと嘘ばっかりついていたぼくは、閻魔大王様にでも舌を引き抜かれてしまうんだろうけれど 想像すると凶悪的に怖いので、そうは思わないことにするけれど と、そのとき がちゃりっ、と鍵を開ける音が聞こえた。鍵、というかドアノブをひねる音、か 普通に考えれば、この部屋の主が帰ってきた、ということだろう うん、それはそれで構わない。ぼくに構う必要はない 問題は、この部屋の主がどういった人物か、ということだ 極論的にいえば、悪人か善人か もっと詳しく言うならば、ぼくに対して危害を加えるか、否か それが、重要 ぼくがいるのはどうやらリビングのようで、そこの扉がいま、開かれる。そこから入ってきたのは――― なんというか、ちょっと変わった人物だった 朴訥した表情で何を考えているのかわからない、というよりは、なにも考えてないように見える 黒曜石のように真黒な目に、目と同じ色の髪 禍々しい、といっても過言ではない雰囲気 公平に言って、とってもとっても怪しい人物だった
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