◆嘘つきと異世界◆

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「―――、ああ、起きたのか」 その人物はそう口を開いた 年齢は、ぼくよりいくらか上、うん、高校生くらいだろう。極端な若作りでもない限り、そうだと思う。制服も着ているし とりあえず、ぼくの警戒したような目を見て、不安でもほぐそうとしたのかその人物は喋りだす 「とりあえず僕は怪しい人物じゃない。どこからどう見ても怪しいかもしれないが、その印象に中身は比例しないから安心しろ。ああ、そうだ名前、名前を名乗ろう。僕は悠というが・・・・・・、お前は?」 自分が怪しいという自覚はあるのか・・・・・・、ともあれ、名前 「ジャック・バウアーと言いますが」 嘘だった いや、言わなくてもわかると思うけど ほら、小さいころに「知らない人に名前を教えちゃいけません」とか習ったし。そういう他者排他的な教育が、人を信用しない人格を作り上げるんだろうなぁ、とか、現代の教育を知ったように語ってみる
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