非日常への入り口

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間違いない。青木さんだ。 金髪のソフトモヒカンと、耳に開けたデカイピアスが特徴的。 そして、俺はそれが大の苦手だった。 テレビで金髪やデカイピアスを見かけると、頭の中を青木さんがよぎるから。 その度、気分が重くなる。 とはいえ、関係を断ち切る勇気など俺にあるはずもなく、今日もまた言いなり… 青木さんの表情は、今日の天気とは裏腹に曇っていた。 いつも通り機嫌が悪いらしい。 それも味方してか、青木さんとの距離が縮まる度に、心臓がドクンドクンと内側から胸を叩くのが分かった。 青木さんの前へ足を置くと、俺は息切れした体をくの字に曲げて、息を整えた。
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