54人が本棚に入れています
本棚に追加
「すいません青木さん…!遅くなって…」
こんなデブにペコペコする自分が嫌になる。今更だが。
青木さんは無言で俺に近づくと、硬く握った拳を、腹にめり込ませてきた。
鈍い痛みが、俺の呼吸を止める。
「うッ…!!」
「遅すぎるわアホ。淳ちゃん頼むよー。これ以上俺を怒らせないで?」
「す…すいま…せんっ…!!」
「まあーいいよ。ホラ金出して」
青木さんのその言葉に、俺の体は震えあがった。
この状況で、1万足りないなんて言ったら…。
「なに…どした。さっさと出せよ。それともなに?用意できなかったとか言うわけ?」
「い…いや、あのー」
無理矢理つくられていた青木さんの笑顔が消え、あっという間に鬼の形相へと変わった。
最初のコメントを投稿しよう!