非日常への入り口

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「すいません青木さん…!遅くなって…」 こんなデブにペコペコする自分が嫌になる。今更だが。 青木さんは無言で俺に近づくと、硬く握った拳を、腹にめり込ませてきた。 鈍い痛みが、俺の呼吸を止める。 「うッ…!!」 「遅すぎるわアホ。淳ちゃん頼むよー。これ以上俺を怒らせないで?」 「す…すいま…せんっ…!!」 「まあーいいよ。ホラ金出して」 青木さんのその言葉に、俺の体は震えあがった。 この状況で、1万足りないなんて言ったら…。 「なに…どした。さっさと出せよ。それともなに?用意できなかったとか言うわけ?」 「い…いや、あのー」 無理矢理つくられていた青木さんの笑顔が消え、あっという間に鬼の形相へと変わった。
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