プロローグ

2/2
前へ
/210ページ
次へ
 もしも、大切な者を亡くして、その人に言えないまま、終わってしまった時、あなたはどうしますか。きっと、手紙を書いて、その棺の中に入れ、天国で見てもらう、そんな事を思い浮かべるでしょう。  でももし、直接届けてくれる郵便屋さんがあったら、あなたはどうしますか。その人に届けてもらうことを選びますか。もし、選んだとしても、きっとそれは夢だ、何て思うかもしれません。きっと、そう思うと信じてます。  でも、想像だけはしてみてください。そこに何人、働いていると思いますか。四、五十人、いや、もっとかなりの数が、ここで働いているとします。そして、それぞれが、誠意を持って、今、手紙を、差出人に届けに行こうとしているのを見ると、あなたは嬉しく思います。そして、ありがとうって、心の中で叫んでいるでしょう。  これは、そんな人たちのために、日夜、活動している男のストーリーです。
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加