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栄一さんは、私の初恋の相手でしたから。だから、彼が亡くなったって訊いて、すごく涙があふれ出てきたんです。
私は自分を恨みました。栄一さんより長生きした自分を。何故、私は彼より長生きできたのでしょう。そればかりが、悩みの種でした。
そんなある日、私は新聞の折り込み広告で、あの世の者に手紙を出せる郵便局があると知りました。それを見つけた私は、栄一さんに手紙を書きたいと思ったんです。
こんな年寄りが、夢みたいな事をやっているなんて、と笑っているでしょうけど、私は栄一さんと、昔みたいに手紙のやりとりをするのが、好きなんです。だから、今回は許してくださいね。お願いしますよ。
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