119人が本棚に入れています
本棚に追加
二
「由樹ちゃん、この手紙を、ここに書かれている場所まで、届けに行ってくれるかしら」
私が頼むと、由樹はハイと手を出しました。お金を要求してる、直感でそう思いました。
娘の里沙に似て、そういうところだけはチャッカリしています。血は争えないと、私は思いました。
だから私、切手代と交通費だけを由樹に持たせたのです。切手代は高いので、無駄なモノを買うと、すぐなくなる事もちゃんと伝えておきました。
「本当は、里沙について行ってもらいたいんだけど、あの子、今、忙しいから、由樹ちゃんに頼んだのです。お願いできますか?」
最初のコメントを投稿しよう!