四枚目 もう一度あなたに会えるなら

7/18
前へ
/210ページ
次へ
 由樹は少し考えていましたけど、私のたっての事もあって、引き受けてくれる事を約束したのです。それを訊いて私は、たいそう喜びました。由樹にそこまで慕われるなんて、私は幸せ者だなって思ったんです。  由樹にその事を伝えると、照れくさそうに笑ってました。 「そんなつもりはないんだけどな」  それだけで充分です。由樹が笑ってくれるだけで、それだけで私は、幸福な気持ちになれるんですよ。だから、こうして毎日来てくれる由樹に、手紙を届けてくれる役目を託したんです。あなたは、優しい子だから、こういうのは、絶対、手伝ってくれるって信じていましたよ。
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加