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◆ ◆ ◆
僕の所属する呉北高校文芸部は、普通の文芸部とは違い、少しおかしい。
普通、文芸部とは小説やエッセイ、ポエムなどを書く部活だ。
だが、ここ、呉北高校文芸部の活動内容といったら、チェスやポーカー、王様ゲームやサバゲーなどで遊んでいる。
そして、なにより、部室の壁に飾られているものが、旭日旗って…。
おかしすぎる。
まぁ、この部活に普通の人がいないのだから、仕方のない事なんだけど…。
◆ ◆ ◆
「三笠くん、聞いてる?」
気が付くと部長である結衣先輩の顔が目の前にあった。
結衣先輩は、見た目こそ大正時代の女学生のように清楚で可憐なのだが、この部活一の変人なのだ。
「聞いてますよ。今日はすごろくをやるんですよね?」
と少々呆れながら答えると、
「なんだぁ三笠。テンション低いなぁ」
横からそんな声がした。
声の主は、茶髪のクラスメイト『島風利之』くんだった。
一応言っておくと、彼は文芸部員ではない。部外者だ。
島風くんは明るい口調で、僕の肩を叩きながら、
「テンション上げてこーぜ!」
と言ってきた。それに対し僕は、
「…うん」
と曖昧に答えておく。
どうにも、このテンションにはついていきづらい。
「よしっ!じゃあ、ルールの説明をするわよ」
結衣先輩はそう言うと、ホワイトボードにすごろくの説明を書き始める。
(別にすごろくに説明なんて要らないんじゃ…)
と思ったが、心の中にしまい、結衣先輩が書くのを見守る。
キュッ キュッというペンの音が部室に響き、綺麗な字が書き込まれていく。
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