~文芸部の日常~

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 そして、最後は島風くんがサイコロを振る。 「よっしゃぁ!狙うは3だぁ!」  そう叫ぶと、島風くんは、サイコロを投げるようにして振る。カタタタッ と勢い良くサイコロは机の上を転がり、止まる。 出た目は1。  (…) 僕は少し島風くんを哀れみながら、1マス目に書かれたことを見る。 〈自動販売機に告白し、38回休むか、何もせずにみんながゴールするまで休み〉 1マス目には、そう書かれていた。 「………」  再びこの場に沈黙が流れたのだった。  結局、島風くんはみんながゴールするまで休みの方を選び、ぼくたちは、島風くんを除いた4人でサイコロを振り、無事全員ゴールすることが出来た。  島風くんは、部屋の隅で膝を抱えていた。その姿があまりにも哀れすぎて、ぼくが声をかけられずにいると、結衣先輩は島風くんの所に行き、 「罰ゲームは誰かに告白メールを送ることに変更するわ」  と優しく言う。 (優しく言った所で、酷いことには変わりないけど…)  と思いつつ、その場を見守る。 「それじゃあ、この『神埼大和』くんにメールを送るわよ」  結衣先輩は島風くんのケータイから、告白メールを大和くんに送っていいかと島風くんに訪ねる。  島風くんは力なく頷いた。 しばらくして、大和くんから返信があった。 返信の内容は、精神病院への案内だった。 〈終わり〉
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