18、脳

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「……ごめんね明、私が守ってあげられなくて。  家にいてあげられなくて」  涙声で話す母の言葉が、暗闇の中に落とされたような心に響き渡る。  もう誰もいない、そう思っていたのに。  私にはまだ、私を心配してくれる存在がいた。  母の前で涙を見せるのは恥ずかしくて、私は鼻にツンとした痛みを感じながら笑った。 「何よ、急に何言ってるの。  ねえ、暑いよ。  とりあえず中に入らせてよ」 「ああっ、そうね。ごめんね」  慌てたように離れた母の顔を見ると、今泣いたばかりとは思えない程瞼が腫れていることに気付いた。  ……母さん?
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