私という存在

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 私は昔から○○のような存在でした。  特に目立つ格好をしてない私には、これといった特徴がなく大人しく地味でした。クラスにいても、誰も私を話題にあげることもありませんでした。  いつから、○○のような存在だったのか、今では覚えていません。私自身、それを悔しいとも苦しいとも思わなかったのも、原因の一端でしたが。  クラスで名簿を読み上げられる時も、名前を忘れられるぐらいでした。順々と、名前を呼んでいき、先生が私の名前を飛ばしてしまっても、特におかしいと思っていませんでした。本当に、私は○○のような存在でした。  けれど、幸いなこともありました。○○のような存在でしたから、私はイジメの対象になることはありませんでした。存在が薄すぎるからでしょうか。誰も私を気にも止めません。  それとも、無視されること自体がイジメなのでしょうか。今となっては、知ることはできません。中学、高校、大学にいっても、私という存在ま○○のままでした。
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