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「ああ、暇だわねぇ。」
テレサがホテルのラウンジでひとりカクテルを飲んでいた。付き合ってくれる希久美もナミも今夜は居ない。手持無沙汰に、ラウンジの入口を見ていると、パリッとしたジャケットに身を包んだいい男が入ってきた。
「あーん?」
テレサが彼を目で追っていると、気付いた彼がテレサに笑顔で挨拶して来た。しかもテレサに向って歩いてくる。テレサは慌ててバッグを探った。そして一粒の錠剤を取り出した。
「取っておいてよかった…。」
実は、『やれなくなる薬』にサービスでついてきた『やりたくなる薬』は、みっつだったのだ。
「セックスから始まる恋愛だって、あると思います。」
テレサは万全の態勢で、彼を待ち受けた。 <了>
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