友に告ぐ

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「幽が死にたい時には俺が愛してやるよ?」 「肉体だけ、だろ?」 「やーんなんかエッチー♪」 ケラケラとふざけて笑う黒須に幽は僅かに寂しげな笑みを浮かべる。 「茶化すなよ。竜と違って僕には人間は死んでからも人間なんだ…死んで尚、僕の魂を見て欲しい」 「言ったろ?俺はそんなん興味ない。魂が血飛沫上げるか?肉を裂いて骨を穿つことは? 俺の手に収まらないなら意味がない」 「……いずれ分かるよ、その時には僕を愛してくれ」 「……告白?」 「まさか、気持ち悪い」 端正な、しかし生気の薄い顔で笑う幽に黒須は脳内で紅い紅い色を塗り付ける、白い彼に紅が映えて。 この美しい友人を今すぐ刻みたい欲望に刈られた。 そして、幽が予感した運命の日は訪れる。 二人は「友人」ではなく「死神」と「参加者」として対峙した。 「あっれー?幽じゃん♪何々お前ってば参加者ー?」 「竜……君の世界に来たのに、まだ仮面を 被ってるの?」 へらへらと笑う黒須に幽は少し呆れたような顔をして、それから嬉しげに笑う。 「いーの、いーの。慣れちったしこっちのが参加者も話してくれるんだぜ?…でも、意外だったな。幽は死んだらそのまま受け入れると思った」 「竜が約束を破るからだよ」 「…約束?」 「僕を愛してくれると言った」 ああ、と黒須は僅かに笑って、それから鎌をクルリと回す。 あの日のように真っ直ぐ対峙して相変わらず生気の薄い顔を見ているうちにあの日の欲望がゾワリと顔を出した。 「…告白?」 「どうかな」 「たまんねぇな、最高だよお前」 「伊達に竜の親友をしていた訳じゃないよ。 良いんだ、竜の居ない世界ならさほどの未練はないよ、転生したいとも思わないし」 消滅、させてくれるんだろう?とあの頃と変わらない穏やかな笑みを浮かべる幽に近付き鎌の先端をゆっくりとその腹部に埋める。 彼の白いシャツに朱が滲み小さく呻く声にゾクゾクと背が震えた。
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