感情のカタチ

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「ヒャハハハハ♪駄目だろー?人を簡単に信じちゃ。ねぇ、その目だ、綺麗な殺意と恐怖 と決意…!雨綺ちゃんを殺した奴がそうさせたの?なら感謝だ、俺はこんなに綺麗な雨綺ちゃんを殺すチャンスを与えられた…!スゲーよな?な?」 「…チッ、知るかよクソが」 あぁ、喰らい尽くしてやりたい。 渦巻く怒りと強い衝動に雨綺は拳を握り締める。 頭のイカれたこの変人に関わったのが運のツキか、あるいは幸運か。 この馬鹿が向けてくる殺意は心地よく、俺の目的をしっかりと植え付ける。 赤は命の色だ、あの日、その色を流しながら倒れていた兄を。バットを降り下ろすアイツを、窓の外に落ちた光を、雨を、俺は忘れない。 人気の減った夜の渋谷に雨は上がり、その臭いだけが街を覆っている。 信号から落ちた雫が水溜まりに跳ねる音を聞きながら黒須は震えの収まった雨綺を見下ろ して笑みを深める。 「なぁなあ雨綺ちゃん、ヤろっか?」 「……上等だ、その口を二度と開けなくなるように、喰らい尽くしてやるよ」 ペロリと互いの舌が唇を這えば分かりにくい開戦の合図。 一斉にバスを飛び出した二つの影が夜の渋谷を舞台に命のやりとりを始める。 互いの瞳に映るのは憎しみでも侮蔑でもなく。 純粋すぎる殺意と狂喜の色。 イカれた死神達の禁じられた遊びは どちらかの命の終焉まで終わることはない。 Fin
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