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どこだ、ここは……?
目を覚ますとそこは見知らぬ森の中。夜の暗闇に包まれていて、見上げる空は月の木漏れ日が眩しかった。
なんでこんなところに横になっているんだと考えても正確な答えは出てこない。覚えているのは変な空間に飲み込まれたくらい。
なぜ?知らない。二限目の魔法学に遅刻しそうで走って向かっていたら突然目の前に裂け目と言うか隙間と言うか、まぁ急に空間が割れて止まるのに間に合わず突っ込んだらここにいただけ。たぶんこれ原因。
で、見知らぬ森に飛ばされたというわけか。
ていうか転移魔法じゃないだろうけど何であんなものがあそこにあったんだろ?元から発生していれば気づけたのに突然表れる酷いなぁ。迷惑すぎるよ。
溜め息をつくと今更ながら気づく。なんと服どころか身体中濡れていた。
いやいや、なんで濡れてんの?転移か落ちたか知らないけど足下に泉や池でもあったの?裂け目を作った奴が助けたけど放置されたのか?
「目は覚めた?」
「え?」
誰かに声をかけられた。
横になったまま辺りを見渡すと一面木に木に木。木しかない……と思っていたけど右を向くとすぐ側に河があった。
しかし人間の一人も見当たらない。
……幻聴?いや、まさか。
もう一度辺りを見渡すがあるのは木々の自然と河のみ。やっぱり気のせいかもしれない。
「無視しないでよ」
どうやら気のせいじゃなかった。さらに確認のために辺りを見渡してみる。で、変わりはない。
「だ、誰かいるのかい?」
「こっちこっち」
どこの誰かも分からない何かに呼び掛けると河の方から声が返ってきた。
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