妖怪と魔女と俺と

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嫌な予感がしたがすでに遅し。河が突然荒れだしたと思えば、前後左右から大津波が発生した。 ウンディーネ。四代元素の代行者で水を司る四精霊。人間の姿をしているようだが、実際は見たことがないからなんとも言えない。 「げっ、嘘だろっ――」 逃れるすべはなく俺たちは大津波に飲み込まれてしまい、その上、頑張って召喚したサラマンドラも炎を消されて送り返されてしまった。 たいして深くなかった普通の河も、今では足も着かない流れがめちゃくちゃに変化する河となる。ウンディーネの姿が見えないことは水に溶け込んだか陸地にいるのか。 「人間さん!……あぁーあ、もう!これじゃあ膜が張れないじゃないか!」 身動きがとれず水圧に押し潰されそうになっていると、背後から誰かに抱えられた。……まぁ言わずとも分かるけどさ。 どうやら彼女はこの水流を苦としないらしく、俺に負担がかからないように泳いでくれている。正直足手まといです、はい。 「そんなに落ち込まないで人間さん」 気持ちは嬉しいけど、こんなの格好悪いじゃないか。勢いよく挑んだものボロ敗けして涙を流すし何度も護ってもらっているのに自信持って召喚したサラマンダでは邪魔ばかり……。 あぁ……おれ…なに、やって…………ん…だ…ろ…… 「ははっ、ここで喋れなくても言いたいことは分かるよ。安心して、私はそんな事なんて思ってないから。むしろ、その……か、格好良かったよ……」 「…………」 「う、嘘じゃな…からね…ホント…よ…ホンと…だか…ね」 「…………」 「あこが…だったにんげ…さん…が……たたか………すが……みれ……でも……あれ………にん…げ…さ………に…げ……さ……――」 もぅ……ゃばい…か……… しん…な……
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