野球好きの神様がくれたもの

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「おい、稲葉。何処へ行くつもりだ。」監督が稲葉を制した。 「急に、ラーメンが食べたくなりました。」彼は振り返りもせず大股にスタジオを出ていった。 アクシデントに慣れていない国営放送のニュースキャスターは、、CMに逃れたりする事もできずにただ返されたマイクを握って呆然としていた。 稲葉と島原の翌シーズンからの活躍は素晴らしかった。トレードに出されたものの新チームでリリーフから先発に回った稲葉は2つの完全試合、そして1軍に定着した島原はサヨナラホームランの日本記録を勲章に、二人はそれぞれのリーグを代表するチームの監督としてまた日本シリーズで顔を合わせた。今度は、彼らが長い野球経験から得た、知恵と判断の闘いであった。<完>
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