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「いえいえまるで意味が分かりませぬ。というか、分かりたくもありませぬ」
「三秒貴女に与えます。ですから三秒で理解してください」
「時間よストォォォップ!! よし。これで時間はストップしました。三秒ルールは通用しませんぜ、ぐえっへっへ」
「貴女は何歳ですか? 本気で言っているとなると、頭を開いて診てもらわないといけません」
「その台詞をそーっくりそのまま、萩原さんに返しますね」
相手に良い印象を与える為の営業用スマイルを浮かべると、萩原さんにそう言ってやった。
だって、正直真剣に言っているとなると、萩原さんは少々……というか、かなり頭のネジが飛んでいってしまっている人になるから。
でも萩原さんはさも当然だという感じで言ってくるから、眩暈が私を襲い掛かってきます。
これも試練……なんでしょうか? 神様?
「手を合わせないでください。現実逃避をしようとしないでください」
ゴッドよ、貴方様は私に幾つ試練を与える気なんだと、そう聞いている最中だというのに、萩原さんの抑揚の無い声によって、意識は現にと引き戻されてしまった。
テーブルを挟んで向かいに座る萩原さんを恨めしく睨みつける……けど、萩原さんはノーダメージのうえにスルースキルを絶賛に発動。
そのカウンターとして、私の精神にダメージです……。
知ってた? 無視が一番こたえるんだよ? 人って。
「昨日の説明を呑み込んでくださるまでお話ししますが、貴女のアパートは解約されました」
「……うい」
「そして、貴女がこの一ヶ月間家政婦として勤めていただく際には、ここで住み込みで働いていただきます」
「……うい」
「その期間中に、是非とも私におちてもらいます」
「……う」
あ、あぶねぇー!!
危うく今までの説明の流れに対しての適当な返事をそこでもするとこだった!!
なんとか返事の途中を呑み込んで、萩原さんを強く睨みつけた。
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