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「家に帰ってきたナツにおかえりって言うのが私の習慣だったんだけど 女だからって…おかえりっていうだけじゃだめなんだって…最近気付いたの それに気付かせてくれたのは… ナツと…アツシだから。」 「アツシくんって…」 「…色々あって…今やっと本当の友達に戻っていってるところなんだ アツシって、もともと話してるとすっごく楽しいし…落ち着くの」 「でもやっぱり…ナツくんなんだね」 「…うん。」 葉っぱと葉っぱがこすれる音が聞こえる それは風が吹いて さまざまなものを揺らがせているから。 ナツと出会って 今まで見ていた景色が180度変わったようなほど 自分の未来を信じたくなった だからこそ笑ってほしい 役に立ちたい きっと私は、ナツと一緒にいることが 私にとっての幸せだから…。 「すごい好きなんだね、彼の事」 すごいうれしそうに笑ってくれる岬ちゃんの顔に吸い込まそうになった 「私は…ふたりになにしあげればいいのかわからないし こうやって、たまに一緒に話したり、一緒に笑ってあげられることはできるよ。 私は恋愛なんて…しばらくだからいいアドバイスはあげられないけど ・・・力になるよ?」 「・・・ありがとう 岬ちゃんに話したら、少し楽になった」 「そ?よかった」 「岬ちゃん、私明日帰るね」 「彼氏の話したら会いたくなっちゃった?(笑)」 ふたりで顔を見ながら笑った 「…ほんと、よかったね」 「・・・うん。」
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